今回は事業承継のお話です。
事業承継税制の特例法の改正により、中小企業(会社組織)の事業承継は、手続きや要件はありますが、実質、贈与税、相続税が無税になりました。
個人事業についても、早期に同様の措置が図られる見込みと伝えられています。
一番大きかった相続税などの問題は、一応は解決いたしました。
では、どうするか、が、中小企業の創業経営者(現経営者)に問われています。
後継者は一朝一夕には育成できません。
経営学大学院でMBAを取得して上場企業できらびやかなキャリアを積んでも、中小企業の経営は簡単ではありません。
あるセミナーで私が気づいた3点は、
1.経営はセンスである。分析ばかりしているのは経営者の仕事ではなく、判断、決断をしていくこと。そういう行動が求められる。
2.後継者がいない場合に、雇用を維持して、会社の価値を残す方法として、経営してくれる企業に株を売る、M&A的な手法は、大変有効な解決法の一つである。
3.後継者がいる場合に、その経験不足を補完するために、会社に人事評価システムを導入するなどして、貢献意欲の高い従業員を増やし、組織の力を上げること。
4.会社が何者かを見つめ直し、ミッションを作って、従業員に浸透させ、会社に背骨を通すこと。
以上の他に、経営財務数字をしっかり把握して、当期、中期、長期の事業計画を持ち、月次数字からPDCAを回す、ことはもちろん必要ですね。
どれも、簡単ではありません。創業社長であっても、経営は想定が外れることの連続、こうしたことになかなか投資することも、判断や時期が難しいでしょうね。
ただ、投資、判断をしなければ、事業承継税制があっても、事業承継は絵に描いた餅、になってしまうでしょう。
私は事業承継は、まさにそういう時期に間違いなく入っていると確信しています。