最近思ったことを書きます。
以前にあるセミナーで、家族信託を多く手がけている司法書士先生のお話を聞いた時に、
「家族信託を進める時に、税理士が邪魔をする」というお話を聞きました。
確かに、一部の税理士、高齢の税理士?に限りませんが、家族信託にまだ注力していない税理士もおり、
関与先がそうした相続対策を行う時に、反対する(良し悪しが判断しきれないから)場合も少なくないんだろうと思うわけです。
やはり、勉強して、メリットが大きいならば、是々非々で関わっていくことが望ましいと思っております。
私自身は、家族信託を行うことによるメリットは多いと思いますので、基本は推進派ですが、
信託譲渡を受けて財産管理を担える、適切な予定相続人がいなければ、それも簡単ではなく、
進められるケースと、そうでないケースはある、であるがゆえに、是々非々です。
さて、そういうことを考えていながら思ったこと。
司法書士さんは、登記手続きを行う仕事で、手続きをすることを通じて、フィー・売上が上がるお仕事。
税理士は、もっと長期的に関与先に寄り添い、税務行動にアドバイスをして、
ずっと寄り添い続けるものです。
例えば、家族信託についても、司法書士さんとはスピード感が違うとは思います。
相続関係のことを相談を受ける時に、事務的に戸籍や登記事項を見て
即断即決はしません。
以後何十年も関与しながら、クレーム言われないように、ベストなアドバイスをすることを考えて、
対応するので、初対面、即断即決的には、基本、結論は出しません。
それは、クライアントを思ってのこと、自身の職業責任を考えてのことなのです。
単に登記手続きだけでは、そんなに責任はないのでしょうが、
税理士には、損害賠償責任があります。ある税務行動をアドバイスすることは、逆に損害になってしまった場合の賠償責任も伴う。
登記という手続きだけでなく、長い目で見た本当に望ましい税務行動を考えて、
結論を出すのが税理士なので、スピード感は違うんだろうなあ、と感じます。遅いのだろうと。
その人、クライアントさんの人を知らなければ、アドバイスしにくい。
銀行でもKYC、know your cliant という原則があるのと同じです。
その意味で、税理士の動きが悪い、ということは、司法書士先生からすれば、感じるのでしょうね。
税理士は、もともと長いスパンでクライアントと付き合っています。
登記手続きなど、単発の手続きごとの、完結する付き合いではないのですよね。
以上、お仕事の特性、といいますか、違いはあるのだなあ、とこの頃感じております。
私は、まず、長期的にアドバイスを受けることを決めてくれた関与先には、
しっかり時間を手間を掛けてあどアドバイスを重ねていく、それが当事務所のスタンスです。
ご相談は、ぜひ、継続的なお付き合いをしていただくことを前提に、じっくりご相談下さい。